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Workers AI のモデルと料金

Workers AI のモデル選定、バインディング利用、費用計算の実務メモ

Workers AI は、Worker コードのすぐ近くで使える Cloudflare ホストの推論経路である。 Cloudflare ホストのモデルでアプリケーション要件を満たせ、呼び出しを Worker のリクエスト 処理に置きたい場合に使う。外部プロバイダー、プロバイダー横断の可観測性、複数 プロバイダーにまたがる制御が必要になったら AI Gateway を経由する。

バインディングの基本

Workers AI は AI バインディングとして Worker に公開する。

{
  "ai": {
    "binding": "AI"
  }
}

そのうえで env.AI.run(modelId, input) によりモデルを呼び出す。input の形はモデルに よって異なるが、テキスト生成では通常 messages を使う。

export interface Env {
  AI: Ai;
}

const modelId = "@cf/meta/llama-3.3-70b-instruct-fp8-fast";

export default {
  async fetch(_request, env): Promise<Response> {
    const input = {
      messages: [{ role: "user", content: "Summarize Workers AI in one sentence." }],
    };

    const result = await env.AI.run(modelId, input);
    return Response.json(result);
  },
} satisfies ExportedHandler<Env>;

ローカル開発で実際のモデル呼び出しを確認する場合は、remote Workers 実行を使う。 wrangler dev の中にローカル GPU 推論が隠れているわけではない。

モデルカテゴリ

モデルカタログを長い一覧として扱わない。まずタスクで選び、その品質基準を満たす最小の モデルを選ぶ。

  • Text Generation: チャット、要約、抽出、コード、ツール利用、構造化された判断。

  • Text Embeddings: テキストをベクトルに変換し、Vectorize、セマンティック検索、推薦、 重複排除、RAG に使う。

  • Text-to-Image: プロンプトや画像参照から画像を生成または編集する。

  • Image-to-Text / vision: 画像へのキャプション付け、スクリーンショットや写真への質問、 画像入力の分類を行う。

  • Automatic Speech Recognition: 音声を文字起こしし、音声エージェントの入力を準備する。

  • Text-to-Speech: アプリケーションのテキストを生成音声に変換する。

  • Text Classification / reranking: 感情、安全性、関連度スコア、クエリと文書の再ランキング。

  • Translation: 対応する言語ペア間でテキストを翻訳する。

実用的なテキスト生成候補

2026-07-08 に公式 Workers AI モデルページと料金ページで確認した。これは短い出発点であり、 ランキングでも完全なカタログでもない。本番の費用前提を固定する前に、必ず公式ドキュメントを 再確認する。

ModelPractical fitInput $/MCached input $/MOutput $/M
@cf/meta/llama-3.3-70b-instruct-fp8-fastHigh-quality structured judgement/summarization$0.293n/a$2.253
@cf/qwen/qwen3-30b-a3b-fp8Cheaper multilingual/reasoning-capable candidate$0.051n/a$0.335
@cf/openai/gpt-oss-120bStrong reasoning/agentic candidate$0.350n/a$0.750
@cf/google/gemma-4-26b-a4b-itLong-context, cheaper-output candidate$0.100n/a$0.300
@cf/moonshotai/kimi-k2.6Frontier/agentic model; use deliberately, not casual default$0.950$0.160$4.000

実務上のデフォルトは、たいてい最大モデルではない。まず対象タスクに対して安い候補から始め、 失敗を測定し、より強い推論、長いコンテキスト、ツール利用、vision が必要なリクエストだけを 上位モデルへ上げる。

費用計算

Cloudflare は Workers AI を Neurons で課金する。料金ページには通常の LLM 費用計算でモデルを 比較しやすいよう、トークン価格も等価な見方として表示されている。

テキスト生成の見積もりには次を使う。

input_tokens / 1_000_000 * input_price + output_tokens / 1_000_000 * output_price

たとえば、あるモデルが入力 100 万トークンあたり $0.051、出力 100 万トークンあたり $0.335 で、リクエストが 20_000 入力トークンと 2_000 出力トークンを使う場合、 おおよそ次のようになる。

20_000 / 1_000_000 * 0.051 + 2_000 / 1_000_000 * 0.335

このトークン表示は計画用である。請求されるバックエンド単位は引き続き Neurons である。 Workers Free と Workers Paid には Workers AI が含まれ、日次の無料割り当ては 10,000 Neurons/day である。Workers Paid では、その割り当てを超えた利用が現在の neuron レートで 課金される。2026-07-08 に確認した時点では、そのレートは $0.011 / 1,000 Neurons だった。 価格とモデル提供状況は変わるため、コピーした価格は長期的な定数ではなく、日付付きメモとして 扱う。

判断出力の JSON Mode

分類、抽出、モデレーション、ルーティングなど、自動処理につながる判断出力では、対応モデルの JSON Mode を優先する。response_format に JSON Schema を渡し、スキーマは狭く保ち、返ってきた オブジェクトは自分のコードでも検証してから利用する。

const response = await env.AI.run("@cf/meta/llama-3.3-70b-instruct-fp8-fast", {
  messages: [
    {
      role: "user",
      content: "Classify this support ticket: I cannot log in after resetting my password.",
    },
  ],
  response_format: {
    type: "json_schema",
    json_schema: {
      type: "object",
      properties: {
        label: { type: "string", enum: ["billing", "auth", "bug", "other"] },
        confidence: { type: "number" },
        rationale: { type: "string" },
      },
      required: ["label", "confidence", "rationale"],
    },
  },
});

スキーマ失敗は通常の実行時ケースとして扱う。要求されたスキーマを満たせない場合、Workers AI は JSON Mode couldn't be met を返すことがあるため、リトライ、フォールバック、人間レビュー状態の いずれかへ進める。JSON Mode は現在ストリーミングに対応していない。

AI Gateway を足す場面

Cloudflare ホストのモデルと単純なリクエスト処理だけで十分なら、Workers AI バインディングを 直接使う。次のいずれかが必要になったら AI Gateway を追加する。

  • OpenAI、Anthropic、Google AI Studio、Google Vertex AI、Azure OpenAI、Amazon Bedrock、 Deepgram などの対応済み外部プロバイダー。

  • プロバイダーの可観測性: ログ、分析、カスタムメタデータ、費用追跡。

  • プロバイダー横断の制御: キャッシュ、レート制限、フォールバック、ルーティング、ポリシー。

  • Worker アーキテクチャの残りを動かさずに、モデルプロバイダーを比較または切り替えるための 共通の場所。

再確認する公式ドキュメント

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